法科大学院案内

教員からのメッセージ

古田 佑紀先生インタビュー

古田 佑紀先生

学生と議論を重ねながら様々な「ものの見方」を伝えていきたい

 私が法曹をめざすことを決意したのは大学時代です。といっても立派な動機があるわけではなく、決して真面目な学生ではなかった私は、将来どんな道に進むにしても、一つの選択肢として司法試験を受けておこうと思った程度でした。ただ、独立性の高い仕事に魅力を感じていたことは確かです。検事を選んだのも、自分の判断で仕事の仕方を決めて、自分のペースで仕事ができると考えたから。私は、人に教えられてもその通りにするのがどうも苦手で、良くも悪くも自分で考えて取り組まないとうまくいかないタイプなのです(笑)。
 検事として任官しましたが、検察の現場にいた時期は短く、検事在任期間約36年のうち約24年間法務省刑事局で仕事をしました。その3分の2くらいは主に立法の仕事に携わっていました。今思えば、自分で考えたうえで、人の意見を聞き、内容を調整していく立法の仕事は自分に合っていたような気がします。特に印象に残っているのは、一番最初に本格的に取り組んだコンピュータ犯罪に関する刑法の改正です。そのころはまだ刑法改正に抵抗がある時期でしたが、色々な形で起こってくるコンピュータ犯罪の問題は放っておけないことから、刑法の改正案を提出しました。そして,処罰範囲の拡大には消極的な弁護士会も賛成して、国会もすんなり通過。何よりコンピュータについての問題意識が高かったからだと思いますが、これを機に刑事の立法が頻繁に行われるようになりました。
 検察官退官後、最高裁判所に6年8か月在籍しました。ひたすら多くの記録を読み続ける毎日でしたが、最高裁には色々な出身の人が集まっているので、それぞれの考え方に刺激を受けました。なかでも、弁護士から裁判官になった人の話はとても参考になりました。 弁護士の仕事は一番生の事実に近く、体験を踏まえた話には実感があって、「なるほど」と思わされるものがありました。
 神大法科大学院では2012年から学生の指導にあたっていますが、その前にもいくつかの大学や法科大学院で教えた経験があります。学生の指導をしていて強く感じるのは、「教える」とは「自分も学ぶこと」だということ。そのつど同じテーマで話していても、決して同じパターンの講義にはなりません。また、学生の話から新たな発見があることも多く、教えながら自分もそこで何かを学んでいるのを日々実感しています。神大法科大学院は教授もスタッフも学生もみんな一所懸命です。少人数なので密度の濃い指導が可能で、勉強したい学生にとっては非常に恵まれた環境ではないでしょうか。
 学生に期待したいのは、教えてもらうのではなく、自分の頭で考える姿勢を持つこと。法律の問題はいつも正解があるわけではありません。色々なものの見方があり、自分なりに考えて自分なりに結論を出すことが求められます。なかでも弁護士は生の現実に触れる機 会が多いため、予想もできないような様々な場面にぶつかり、それ を自分で考えて処理していかなければならない仕事です。自分の頭で考えること、それが同時に司法試験に向けての勉強にもなります。私も学生と議論を重ねながら、おしつけるのではなく、様々なものの見方を伝えていきたいと思っています。

 

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